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- 芝生には更新作業をした方が良いと知ったが具体的に何をすればいいのかわからない
- 更新作業の正しい方法とその手順を知りたい
- 更新作業に必要な道具は何か知りたい
- 更新作業をいつ頃した方が良いのかわからない
芝生の更新作業は、芝生をキレイに育てるために大切な作業です。
更新作業とは、芝生が休眠期から萌芽期に切り替わる前に行う作業のことをいいます。
更新作業を行うことで、土壌や地際部の環境を整え、芝生が生育しやすくなる効果が得られます。
具体的には、
- サッチング
- 低刈り
- エアレーション
- 目土入れ
などの作業を行います。
ただ、これらすべての作業を行う必要はありません。
状況に応じて作業内容を選択するのが大切です。
この記事を読んでいただければ、更新作業の目的や作業の選択方法などが分かります。
更新作業はオンシーズンに向けた、キレイな芝生に仕上げるための環境づくりです。
ぜひ、最後まで読んでいただければ幸いです。
更新作業の中で最も手間がかかるのがサッチングです。
サッチングを楽に済ませるためにはサッチングマシーンがおすすめ。
京セラ(旧リョービ)の電動芝刈り機なら、芝刈りとサッチングの両方の作業が行えます。
手作業での芝刈りやサッチングが苦労に感じてきた人はぜひ購入を検討してみてください。
芝刈りからサッチングまで全部おまかせ
更新作業は新しい芽吹きに向けた準備
更新作業を行う目的は、芝生の芽吹きの手助けや、管理しやすいように環境を整えることです。
具体的には、土壌の透水性や通気性の改善、地際部のサッチの除去などを行います。
芝生の生育には土壌環境が大きく影響します。
しかし、芝生は一度張ると、下の土を耕せません。
土壌が踏み固められて根の発育を阻害したり、蓄積したサッチが病害虫の被害に遭うリスクを高めたりします。
その結果、芝生の生育にも悪影響が出ることも…。
「キレイな芝生に仕上げたい」という方には、更新作業が芝生管理において重要になります。
更新作業は2~4月に行うのがおすすめ
更新作業の適した時期は、寒さのピークを過ぎた2月下旬から芽吹き前の3月頃がおすすめです。
4月以降でも更新作業はできますが、芽吹いた後は芝生にダメージが残るのでおすすめしません。
更新作業時に行う項目は全4種類
更新作業は主に、以下の4つの作業を行います。
- サッチング
- 低刈り
- エアレーション
- 目土入れ
しかし、更新作業時にこれらすべての作業を行う必要はありません。
芝生の状態や環境によって必要な作業を判断することも大切です。
それぞれの作業内容の目的を理解しておけば、適切な選択ができます。
これからそれぞれの作業について解説していきます。
サッチング
芝生は成長する過程で不要になった枯れた茎や根などの有機物をサッチを言います。
このサッチを取り除く作業がサッチングです。
生育が旺盛な芝生ほどサッチが蓄積しやすく定期的な除去が健康な芝生管理の一歩になります。
サッチが蓄積すると以下のような問題が発生します。
- 地際部が多湿状態になり、病害虫の温床となる
- サッチが乾燥すると水をはじきやすくなるため、土壌に水が浸透しにくくなる
これらの問題を予防するためにも、サッチングはとても重要な作業です。
サッチングの方法
サッチングを行うには熊手や芝生専用のレーキもしくはサッチングマシーンなどを使用します。
サッチングマシーンを導入することができれば作業効率は格段に上がりますが、費用がかかるのがデメリットです。
とはいえ、熊手では掻き出せる量が少なく思うようにサッチを取ることができません。
最もコストパフォーマンスが良いのは芝生用レーキです。
下記にそれぞれの特徴をまとめてみました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
芝生用レーキ | サッチングに最適 | 時間がかかる |
熊手 | 落ち葉を集めやすい | サッチは上手く掻き出せない |
サッチングマシーン | 効率よく作業ができる | 費用が高い |
我が家のサッチングは芝生用レーキと熊手の二つ使用します。具体的な手順は以下のとおり。
- 芝生用レーキである程度サッチを取りだす。芝生の地際部をほぐすようなイメージ。
- 次に芝生用レーキで掻き出した垂直方向に熊手でサッチを掻き出す。
- 地表部に掻き出せたサッチとほうきで回収する。
ポイントは芝生用レーキで固く絞まったサッチをほぐすこと。
サッチをすべて除去することは困難であり、やればやるほどサッチが出てきます。
私はだいたい7割程度を目標にサッチを取り除いています。
庭が広い場合は一度の済ませるのは大変なので、作業エリアを部分的に分けて行うことをオススメします。
サッチングにおすすめの道具
低刈り
低刈りは前のシーズンで伸びた芝生の軸をリセットするための作業です。
いわば、芝生の剪定のようなものです。
芝生の成長速度は速く、芝丈が長くなるほど生長点の位置も高くなります。
軸が上がったままで次のシーズンを向かえると、軸刈りをしてしまうリスクが高まるので、低刈りは更新作業の中で最も重要な作業といえます。
また、地際ギリギリまで低く刈ることで、生長点をリセットし、不陸修正しやすくなるなどのメリットが得られます。
しかし、低く刈りすぎてしまうと芝生が芽吹くタイミングが遅れ、緑の絨毯が形成されるまで時間がかかってしまうので、刈り込む高さは数㎜程度残しておくようにしましょう。
春の萌芽は根に貯めたエネルギーを消費して新しい芽を出していきます。
萌芽した芽を刈り取ってしまうと消費したエネルギーがもったいないので、低刈りのタイミングは萌芽する前の2月~3月に済ませるのがベストです。
刈り高の設定は、お持ちの芝刈り機の一番短い高さでと大丈夫です。
我が家の芝刈り機は12㎜が一番低い設定になるので、その高さで刈り揃えています。
低刈りの方法
低刈りは、手持ちの芝刈り機で行う方法と、草払い機を使用する方法があります。
基本的には、手持ちの芝刈り機で行うことをオススメします。
より低く刈りこみたいという方は、草払い機を使用するのが良いでしょう。
芝刈り機を使用する場合、刈り高は一番短い高さに設定します。
草払い機を使用する場合は、土壌を誤って削り取らないように気をつけましょう。
不陸を作ってしまうと、修正に手間がかかってしまいます。
低刈りにおすすめの道具
芝焼き
また、芝焼きという、低刈りと同じような効果・目的が期待できる作業があります。
毎年2月ころに後楽園で行われることで有名です。
芝を燃やすことで、芝丈を短くするだけでなく、害虫の卵まで駆除する効果が得られます。
しかし、家庭の庭で行うと、火災につながる危険を伴うため、家庭での芝焼きは推奨しません。
家庭の芝生の低刈りは、芝刈り機で行うようにしましょう。
エアレーション
エアレーションは、土壌に穴や切れ目を入れて、透水性や通気性の改善を目的とした作業です。
使用する道具によって、エアレーション効果の高さの違いや特異的な効果を得られます。
エアレーションには、以下の3つの方法が代表例として挙げられます
コアリング | 土壌の入れ替え 透水性の改善 |
スパイキング | 通気性の改善 |
バーチカット | 根きりによる根の活性化促進 |
コアリング
コアリングは芝生と土を一緒にくり抜き、穴を空ける作業です。
コアリングを行うことによって、土壌の通気性や透水性を改善させられます。
ちなみに、専用の器具で穴を空ける際に排出される土をコアと呼びます。
穴を空けることで通気性や浸水性が改善するだけでなく、老朽化した根を取り除き、空いた穴に目土を入れることで、新しい根を張るためのスペースも確保できます。
このコアリングはエアレーションと呼ばれる作業に分類されます。
エアレーションは他にもスパイキングやスライシングなど穴や切込みを入れて通気性や浸水性を改善する方法がありますが、土を直接取り除く作業はコアリングだけです。
手間も一番かかりますが、その分効果もほかのエアレーションよりもより高い効果を期待することができます。
スパイキング
スパイキングは靴底に釘がセットされた道具を装着し、踏みつけるだけで通気口をあけることができる簡単な作業です。
しかし、釘で圧して穴を空けるため、逆に穴周囲の土を締めてしまう可能性もあります。
穴も小さいため、エアレーションとしての効果も一時的です。
土壌改良を目的とするならばスパイキングよりもコアリングをおすすめします。
スパイキングは液肥や薬剤などを土壌深くに浸透させたい場合に行うとその効果を十分に発揮してくれます。
バーチカット
バーチカットはローンカッターという根切り用の道具を使用します。
垂直に刃を入れることによって、老朽化した根を切断します。
根を切ることで植物ホルモンが分泌されるため、芝生の新陳代謝を上げる効果が期待できます。
コアリング直後にバーチカットを行うと、くり抜いたコアを粉砕し、土壌に戻しやすくなります。
コアリング後に土をターフに戻すと、表層土壌の性質が芝草の生長にとってより好ましいものに変化するため、サッチ管理には好効果を期待することができる。
引用文献:ターフグラスマネジメント
また、深く刃を入れることで表面の土壌凝固を軽減する効果もあります。
エアレーションにおすすめの道具
目土入れ
目土入れの目的は以下の2つです。
- 芝生の保護
- 不陸修正
サッチングやコアリングを行うと地表部に根が飛び出してきたり、穴を空けたところから乾燥し芝生を痛めてしまう可能性が高いので、目土入れを行い芝生を保護する必要があります。
傷ついたところを保護し修復してくれる。いわば、目土は芝生にとって絆創膏のような役割を果たしてくれます。
また、この更新作業の時期が一番芝丈を低く管理することができるので、地表部の不陸(凹凸)が確認しやすく、不陸修正するのに最も適したタイミングです。
不陸が強いと水はけが悪くなったり、軸刈りの原因にもつながるのでこの機会を見逃さないようにしましょう。
目土は葉先が少し飛び出す程度までに抑えておくと失敗のリスクを減らすことができます。