芝生年間管理|初心者に分かりやすい芝生の育て方解説

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芝生年間管理|初心者に分かりやすい芝生の育て方解説

  • 家の外構で芝生を検討されている方
  • 芝生に興味があるけど、育て方が分からない方
  • 育て方を調べてみたけどイマイチ何から始めたらいいか分からなかった方

この記事を読んでいただけると芝生の年間管理方法で困ることはなくなります。基本的な管理方法だけではなく、実際に我が家で行っている実例を挙げて説明していきます。

我が家の年間管理表(目安)

上の表は我が家で実際に行っている年間管理表です各家庭の環境で少し変わるのであくまで参考程度に見てください詳しい芝生の育て方は下記で解説していきます

芝刈り|芝刈り頻度は管理する長さで異なる

夏のピーク時は週2回がベスト。長め管理なら週1回でもOK。

7月以降は芝生最盛期。1週間で伸びる長さは約20㎜以上。20㎜以下の長さで管理されている家庭であれば、あっという間に軸刈りのリスクを高めてしまいます30㎜以上で管理するのであれば週1回ペースでもぎりぎり軸刈りを免れるかもしれませんが、10日以上間隔があいてしまうと芝生の景観を損ねる可能性が高くなります

軸刈りとは

軸刈りとは
芝生の茎には生長点と呼ばれる葉や茎の成長が盛にする部位があります。この生長点より下を刈ってしまうと芝生の成長が鈍化し最悪の場合枯れてしまうこともあります。生長点は茶色くなっている茎の下部にあります。芝刈り後、見た目が茶色くなったと感じたら生長点を刈り取った可能性が高くなります。芝生を放置していると生長点の位置も高くなるので、軸刈りを防ぐためには刈り高を調整するか、高頻度での芝刈りが必要になります。

なぜ芝生愛好家(芝奴隷)は頻繁に芝刈りをするのか

SNSで「#芝生」と検索すると多くの方が各家庭の芝生の情報発信をされていますよね。その中でもひと際目を引くのが、見とれてしまうほど綺麗な芝生を投稿されている芝生愛好家(通称:芝奴隷)の方々

芝奴隷の由来は、四六時中芝生のことを考え、出勤前と帰宅後に芝生の観察を欠かさず行い、暇があったら芝刈りをしてしまう。正に芝生のためだけに生きているといっても過言ではない、それくらいの愛情をもって芝生を育てることからだとか。

そんな彼らがなぜそこまで芝刈り頻度にこだわるのかというと。「芝生の密度をあげるため」です。芝生は葉先を刈り取られることで葉の数を増やしたり、横に広がろうとする作用が強くなります。つまり、刈れば刈るほど高密度で美しい芝生が完成されていきます

逆に言うと芝刈り頻度の低い芝生は軸刈りのリスクも高まり、密度もさほど高くないので芝刈りを行うことで景観が悪くなるということもあります。

1/3ルールの実態

芝刈りのセオリーとして「1/3ルール」と呼ばれるものがあります。「芝生 芝刈り」で検索するとどのサイトにも記載されている用語ですね。これば軸刈りのリスク回避が目的で刈り取る長さを上1/3以内に抑えることを指します。

ここで勘違いしやすいのが、芝刈り前にわざわざ定規やメジャーで測らないといけないの?という疑問です。

結論からいうと、そんな面倒なことはする必要ありません。芝刈り機の刈り高に合わせて芝刈りの頻度を調節してあげればいいのです。

例えば、我が家の芝刈り機は4段階調節で12㎜、20㎜、28㎜、38㎜となっています。20㎜で管理したければ芝丈がおおよそ30㎜以内28㎜で管理するのであれば約42㎜以内で芝刈りを行ってあげればいいのです。

管理する芝丈が長くなればなるほど、芝生を伸ばせる幅が広がるので芝刈り頻度を下げても軸刈りするリスクを減らせるということになります。

芝刈りのタイミングは足と刈った芝で確認

先ほどメジャーで測る必要はないとお伝えしました。「じゃあ、どうやって芝刈りのタイミングを決めればいいの?」という疑問が湧いてきそうですね。

芝刈りのタイミングを決める要素は以下の3つです。

  • 目視で確認する
  • 刈ってからの経過日数で決めておく
  • 足で踏んだ感触から判断する
  • 刈った時の刈り芝の長さで調整する
  • 天気予報次第では前倒しで刈ることも検討

目視で確認したり、刈った日から何日経過したかで芝刈りのタイミングを決めるのはイメージしやすいと思います。ただそれだけではいつの間にか芝生の成長が盛んになっていることに気づかず、軸刈りになってしまったということも多いです。

芝刈りは適切なタイミングで刈り高を調整する必要があります。しかし、芝生の成長は住まれている地域の気候や家庭の環日照条件や土壌などの環境によって異なります。日々の観察からより多くの情報を芝生から読み取り、総合的に判断しなければなりません

例えば、目視だけではわずか数㎜の伸びは認識しにくいです。「まだ大丈夫」と思っていたら想像以上に伸びていた。なんて日常茶飯事。

どれだけ伸びたかを確認するには足を使います。芝生を踏んだ時の感触や、靴のソールを定規代わりに芝生の伸びを確認することで得られる情報が増えます。芝刈り直後は葉先の点で足を支えている感覚がしますが、伸びてくると葉がしなり面で支えられいる気がしてきます。

また、一番確実なのが刈り芝の長さを確認することです。集草かごいっぱいに刈れるとそれだけで快感を覚えますが、大切なことは刈った結果をもとに芝刈りの間隔を調整することです。

夏のピークに向かい徐々に生育が旺盛になります。刈った芝の長さが刈り高の1/3を超えている場合、芝刈りの間隔を短くするか、刈り高を1段階上げるなどの調整が必要になります

もっと芝刈りについて詳しく知りたい方は下記の記事もチェックしてみてください。

水やり|水切れサインに要注意。日々の観察を怠らないように

芝張直後は毎日散水

芝張直後の芝の根は非常に短く、地中の水分を吸い取る力が弱いので毎日散水してあげないと枯れてしまいます。特にゴールデンウイーク以降に芝張をした際は可能であれば朝・夕の2回散水することをオススメします。

水切れサインが出るタイミングを知る

芝生は水分が枯渇してしまうと葉が丸くなり針金状になってしまいます。この現象を「水切れサイン」といいます。水切れサインが出たら早急に散水してあげましょう

出勤前は水切れサインは出ていなかったけど、帰宅後は水切れサインが出ていたことなんと芝活あるまるです。特に気温の高い夏場は地中の水分が蒸発しやすいので注意してください。

また、芝生自体は過湿に弱い植物なので、過度に水を与えると根が弱り色が薄くなったり(黄化現象)、病気になりやすかったり、最悪枯れてしまうこともあります。一度根付いたら、散水頻度を減らし、水切れサインが出る一歩手前で散水できると、病気になりにくい、健康な芝生を作ることができます。

水やりは意外と時間がかかる作業

1度に必要な水の量は1平米あたり10ℓと言われています。一般的なご家庭の立水栓であれば、10ℓ出すのに1分弱かかります。30㎡の芝生でもしっかり水やりをしようとすれば30分近く時間がかかってしまいます実は芝刈り以上に時間がかかる作業なんですね。

時間があればのんびり芝生を眺めながら散水するものアリですが、なかなか時間を作れないという方も多いかと思います。そんなときは、スプリンクラー×タイマーを使用することを推奨します

基本的にはスプリンクラーで全体的に散水し、水が届いていない箇所についてはスポットで手散水してあげるのが一番効率的です。

だいチキ
だいチキ

我が家ではガルデナのaqua zoomMを使用しています。噴水のように空高く水を噴き上げ、雨のようにシトシトと全体的に水やりをしてくれる秀逸なアイテムです。

さらに詳しく知りたい方は必見

施肥|初心者には8・8・8の化成肥料がオススメ

肥料の種類

肥料は主に

  • 有機肥料:肥料成分はやさしめ。ゆっくり効く。地力を高める効果もある。
  • 化成肥料:肥料成分は強め。無機物で作られており、成分が安定している。即効性が高い。
  • 液体肥料:水に混ぜて使用するタイプ。即効性が高く、持続性に欠ける。散布ムラが少ない。

の3種類あります。

施肥頻度は肥料成分の濃さで決まる

芝生の「葉」「茎」「根」の成長を促すためには肥料を使用する(以下:施肥)ことが大切です使用する肥料によって毎月使用したり、隔月で済んだりさまざまです。なぜこのような違いででてくるのでしょうか。

それは、肥料によって含まれている肥料成分の濃度が違うからです。

肥料の主成分は大きく分けて3種類あります窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)です。それぞれの作用は以下の通りです。

  • 窒素(N):葉の成長を促す。
  • リン(P):花や実のりを豊かにする。
  • カリウム(K):根を強くする。

商品パッケージにも大きくN・P・Kと書かれているのを目にしたことがあるかと思います。N・P・Kが8・8・8と記載されている場合、100gあたりそれぞれの成分が8gずつ含まれていることになります。この量が多ければ施肥の頻度は少なく、量が少なければ施肥の頻度を多くするなどの調整が必要です。

基本的には有機肥料は成分量が少なく、化成肥料は成分量が多く含まれています。パッケージ裏に記載されている推奨されている施肥頻度も有機肥料は毎月もしくは2週間に1回を推奨したものが多く、化成肥料は2~3か月に1回のペースで推奨されているものが多いです。

初心者の方は施肥頻度が少なくて済む化成肥料を主に施肥を行うと手間もかからないのでオススメです。しかし、化成肥料ばかりに頼っていると次第に地力が弱くなったり、成分量が多いので肥料焼けを起こすリスクがあることも考慮しなければなりません。

土壌の状態によっても肥料の回数が異なる

土壌には保肥性という養分を保持する力があります。保肥性が高ければ施肥の回数は少なく済み、低ければ高頻度で施肥を行わなければなりません。

保肥性はSESと呼ばれる有機物と微生物の働きが重要となります。詳しくは下記にまとめた記事を用意しているので、興味のある方は読んでみてください。

土性とは?芝生に適した土壌が分かる!

薬剤散布|殺菌剤、殺虫剤、除草剤かんたん散布方法紹介

芝生は病気にもなるし、害虫の影響も受ける。

「え?芝生にもお薬まかないといけないの?」

そう思われた方も多いかと思います。私もそのうちのひとりでした。芝生も植物のひとつなので、当然病気にもかかれば、虫の被害にもあいます。それらを防除するために殺菌剤や殺虫剤を使用します。農薬を使用するのに抵抗がある方は天然素材で代用する方法もあるので後ほど紹介します。

草取りが面倒な人は除草剤散布が吉。

雑草の抑制効果が期待できる芝生。たしかに、密度の高い芝生であれば雑草が入り込む隙がないので、生えてくるのは少なくなります。しかし、密度が高くなるまでは雑草が生えやすく、雑草によっては勢力が非常に強いものもあります。

これを定期的に手作業で草取りするのはかなりの労力を必要とします。少しでもその労力を減らしたい方は芝生用の除草剤を検討してみてください。草取りにかける労力が1/10以下になります特に日差しの強い夏の日は体力の消耗が激しいので、熱中症対策としても効果を発揮してくれます

濃度計算方法はどれも一緒

薬剤を使用する際は、薬品ごとに決められた、希釈率と量をまく必要があります

例えば、50㎡の芝生に希釈率500~1000倍で1平米あたり1ℓの量でまく場合。

  • 散布する面積を確認する(50㎡)
  • 必要な水量を求める(50㎡×1ℓ/㎡=50ℓ)
  • 希釈率に応じた薬剤量を求める(50ℓの1000倍希釈液を作る場合、必要な薬剤量は50ml)
  • 噴霧器やジョーロに計算した水量と薬剤を入れて混ぜる。展着剤使用を推奨する薬剤の場合は展着剤も一緒に混ぜる。
  • 一度に作れない場合は分割して薬液を作る。(10ℓ×5回)
  • もしくは、一時希釈液を作成すると効率よく薬液を作ることができる。(500mlに薬剤50ml入れて一時希釈液を作る。それを100mlずつさらに希釈すると、薬剤を測る手間が省ける。)

サッチング|初年度は不要。2年目以降は年1~2回がオススメ

芝生管理を長く続けていくと芝生の根元(地際)にサッチと呼ばれる芝生が成長する過程でできた有機物が堆積してきます。そのサッチを取り除く作業を「サッチング」いいますサッチが蓄積していくとさまざまな弊害が生じます。

  • 病害にかかりやすくなる。
  • 水が浸透しにくく、水が不足しやすくなる。

サッチをするタイミングは春の更新作業時と梅雨明けがオススメ

サッチが最も溜まりやすい時期は越冬した春先と気温が上がり始めた初夏です基本的には春先の更新作業時のサッチングのみで十分ですが、6月の日照状態が良い状態が続くと予想以上に芝生が元気に育つことがあります。春先で除去したサッチも梅雨明け頃になれば驚くほど溜まっていることがあり、そのまま秋の長雨の時期に突入すると病害の発生リスクが高まってしまいます。

梅雨や長雨に備えて除去しておくことで病害の発生を抑えることができます。ただし、気温の高い時期にサッチングを行うと芝生に負荷がかかりすぎてしまうので、猛暑日には作業しなようにしましょう。

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