芝生を張る前に知っておきたい。後悔しない土壌(床土)って何?

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芝生を張る前に知っておきたい。後悔しない土壌(床土)って何?

芝生は地面にそのままポンと置いて、水をまいておけば育つの思っている方いませんか?
残念ながら、芝生を育てるということはそんなにあまくありません。

サボテンが砂漠のような乾燥した土壌に適しているように
稲をたっぷりと水を張った水田で育てるように
芝生にも芝生に適した土壌があります。

一般的な住宅地の土壌は粘土質で排水性の悪い性質であることが多いです。
芝生は比較的乾燥に強く排水性の高い土壌を好むため、何も知らずにそのままの土壌で芝生を張ってしまうと後で後悔することになります。現に私の知人やSNS等でも思ったような生育が見られず「最初から土づくりをしておけばよかった」と後悔している方を多く見てきました。

芝生は一度植えたら何か特別なことでもない限り
掘り起こして土を耕すことなんてしません。というかできません。

にもかかわらず、人に踏まれてカチカチに固まって排水性が悪くなったり
古い根で地中が埋め尽くされてしまい、新しい根が生えるスペースがなくなると
新陳代謝も落ちてきたり

何かと土壌トラブルの多い植物になります

芝生の土壌改良を行うためのコアリングと呼ばれる作業があります。
コアリングは専用の道具を使い、地面の一部をくりぬき、空いた穴に新しい土や砂を入れてあげる作業になります。作業自体はとてもシンプルである程度の体力さえあれば誰にでもできる作業になりますが、地中にガレキや大きな石が埋まっていると上手く穴をあけることができず、作業効率が大きく損なわれてしまいます。

つまり、最初の土壌作りに失敗し芝生が育たず、土壌改良しようとするも大きな石やガレキが邪魔になり、とてもつらい苦行を強いられていまう。作業を途中であきらめ、芝生管理のモチベーションが下がり、愛着も薄れ、次第に放置芝となり残念な庭が出来上がってしまいます。

そんなことにならないためにも最初の土壌づくりが非常に大切になってきます

芝生は水はけの良い土壌を好む

芝生は乾燥に強い性質をもっており、多湿の環境では病気になりやすく最悪の場合枯れてしまう可能性が高くなります。そのため、芝生の土壌作りは排水性が求められます。しかし、排水性のみに重きをおいてしまうと水切れを起こしやすくなり、頻繁な水やりが必要になってきます。また、植物が成長するためには、水だけでなく養分も必要になるので保肥力とのバランスも考慮しながら土壌を考えなければいけません

チェックポイント

芝生は排水性と保肥性の高い土壌が適している。

芝生に適しているのは「砂壌土」といわれる土性

全国農業協同組合連合会 肥料農薬部 2010 だれにでもできる土壌診断の読み方と肥料計算より引用一部改変

土性とは読んで字のごとく「土の性質」のことを表します。
簡単にいうと砂の性質が強いか土(粘土)の性質が強いかで区別されます。
区分は5つ。砂土、砂壌土、壌土、埴壌土、埴土にわけられます。その中でも芝生に適しているのは「砂壌土」です

砂壌土は少し湿らせてぎゅっと握りしめたとき、かろうじて形を形成するが、簡単に崩れてしまう程度の硬さ(粘度)の状態になるのが目安です。簡単に言うと「泥団子がどれだけつくりやすいか」です。

砂壌土は一応、形にはなるが手から離れると簡単に崩れてしまうイメージ。砂土は全く作ることができず、壌土から埴土になるにつれて簡単に作れるようになっていきます。

砂の性質は透水性が高く、保肥性は小さい

砂は透水性に優れており、余程ことがない限り水たまりを作ることはありません。地表部が多湿になりすぎるのを防いでくれます。

それと引き換えに、保水性に乏しく乾燥しやすいため水やり頻度が多く必要となる欠点もあります。

また、微生物の量も土と比較すれば少なく、土壌の保肥性を表すCECの値が低い傾向がありますCECは粘土と腐植された有機物や微生物で形成された「土壌コロイド」と呼ばれる集合体の量に左右されます

チェックポイント

CECは土壌の性質に左右されるため、改良することが非常に困難CECの値で良し悪しを決めるのではなくCECの値に適した肥料管理を行うことが大切です
例えば、保肥性の低い砂土壌では施肥の回数を増やすもしくは、遅効性の肥料を使用するなど。

完成度の高い芝生を目指すなら「砂壌土」、そこそこでいいなら「壌土」

芝生は乾燥に強い植物です。多湿の環境を嫌い、排水性の高い土壌で管理することで芝生本来の美しさを引き出すことができます

しかし、砂の性質が強くなりすぎると散水や施肥の頻度が多くなるので十分に手間をかける時間が必要になります。土の性質を多めにすることで保水性、保肥性ともに向上するので手間をあまりかけたくない方は壌土よりの環境で管理されることをオススメします

徐々に管理に慣れてきたり、さらに仕上がりに拘りたいと思うようになれば、コアリングで徐々に土壌改良をすることで十分対応することができます。

床土作りの手順(DIY編)

  1. 芝生を張りたい場所の土壌を掘り起こして大きめの石やガレキを篩を使って取り除く。
  2. 土壌の性質(土性)を確認する
  3. 砂やたい肥、微生物資材等を使用し目的に応じた土壌改良を行う。
  4. トンボで平らにならし、雨水桝や浸透桝に向かって水が流れていくように勾配を調節する。
  5. 散水して地面を落ち着かせる。水はけを確認する。


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